従業員が103万円以下のパートだけの会社向け【年末調整のやり方】part1
こんにちは、税理士の高橋です。
今回は年末調整のやり方の解説です。
タイトルにもある通り、従業員がパートやアルバイト数人だけでみんな年間103万円以下なんだよなぁ、年末調整を税理士に頼むほどじゃないんだけど、やり方がいまいちわからないんだよなぁという方向けです。
パート・アルバイトさんの年末調整はやることが限られており、やり方さえわかれば初めての方でもできると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
年末調整のながれ
(1)従業員から3つの書類を受け取る
①令和4年分扶養控除等(異動)申告書
②令和3年分基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
③令和3年分保険料控除申告書
①だけ令和4年分です。それ以外は令和3年分です。①の令和3年分は、去年の年末調整のときに受け取っているはずです。もしくは新しく雇ったときに提出してもらっていると思います。受け取っていなければ①の令和3年版=令和3年分扶養控除等(異動)申告書もこの時に書いてもらいましょう
用紙は税務署から送られてきていると思いますが、国税庁のHPからダウンロード・印刷も可能です
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/shinkokusyo/index.htm
(2)書類の内容をチェックする
チェックするポイント(記載方法)は各書類で以下の通りです
赤枠の中が事業者(あなた)が書くところ、青枠の中が従業員が書くところです。
① 令和4年分扶養控除等(異動)申告書
これだけです。赤枠青枠より下の部分は、年間収入103万円以下の従業員は書く必要がありません。
書いてもいいのですが、最終計算結果に変わりがありません。
左上の税務署は会社の所轄税務署、市町村欄は従業員の住んでいる市町村名を記載します。
(年間103万円ピッタリで、旦那さんがいらっしゃらないかつ16歳未満のお子さんがいる場合には一番下の「16歳未満の扶養親族」欄に、お子さんの情報を書いておきましょう。住民税の計算に影響します。)
② 令和3年分基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
一番上の欄は①とほとんど同じなので省略します。
書かなければならないところは、中段の左側の枠の中だけです。
今回は年収100万円ちょうどのパートさんを例にして記載しています。
収入金額欄にはそのまま年収を書きます。
所得金額欄は、下記の算式に当てはめた金額を記載します。
今回は給与の収入金額が100万円なので、給与所得は、100万円―55万円=45万円が所得金額となります。
区分I欄はA、基礎控除の額は48万円となります(所得900万円以下の人は全員同じになります)。
③令和3年分保険料控除申告書
こちらは何も書かなくてOKです。
提出してもらう書類の③としていますが、提出を受けなくても構いません。
年収103万円以下なら、この書類がなくても最終的に所得税がかからないからです。
(3)源泉徴収簿を作成する
今回のケースでは、年間100万円、11月と12月は月88,000円以上のため、それぞれ720円の源泉徴収をした場合の記載例です。各月が88,000円未満なら、720や1,440と書いてある箇所は0になります。
左半分の80,000がずらりと並んでいる箇所は、実際に支払った給与の額面(総額)を記載します。
ここは所得税の対象である計算を行っているので、所得税の非課税である交通費は含めないで記載します。
part2へ続く
ここまでくれば、すでに山場は越えました。
あとは源泉徴収票の作成と、1月20日納付期限の源泉納付書の作成になります。
続きのpart2は、また次回の記事で書きたいと思います。
お疲れさまでした。ではまた!